オリゴ糖で便秘解消

器質性便秘

器質性便秘とは、もともとの腸管自体の異常、あるいは腸管壁のポリープなどで、腸管が通りにくくなることによって生じる便秘です。

 大別すると、先天性のものと後天性のものに分けられ、先天性の便秘には、巨大結腸症とS状結腸過長症があります。

 巨大結腸症とは、先天的に排泄に必要な蠕動運動が起こりにくいために、腸内に便やガスが滞留してしまい、その結果、腸管が拡張して、結腸が巨大化してしまう疾患です。

 重症の便秘、慢性の腹部膨満、嘔吐、腹鳴などが起こり、また、ガスが溜まって腹部が膨らんできます。この病気は、一般的に小児に多くみられる病気です。下剤は効かないため、浣腸により強制的に排便を行いますが、進行するとこれでも困難な場合があります。

 また、後天性便秘には、特発性巨大結腸症・大腸がん・直腸がん・腸管癒着などがあります。

機能性便秘

機能性便秘のうち、急性便秘とは、食生活の変化や精神的要因等の原因によって起こる、一時的な便秘を指します。

 具体的には、ダイエットのために急に食事の量を減らしたり、仕事や人間関係などで精神的ストレスが生じたりした場合で、女性の場合にはこれに加え、妊娠や月経前に発症する便秘などがあります。この場合は原因が解消されることで自然に元に戻ります。

 一方、慢性便秘とは、比較的長期にわたって続く大腸の機能異常に基づく慢性便秘で、結腸性便秘・直腸性便秘・痙攣性便秘の3つに分けられ、ほとんどの便秘のケースが、この中のいずれかに該当すると言えましょう。

弛緩性便秘

弛緩性便秘とは、主に腹筋力の低下により、全体的に便を送り出す力が弱まり、腸の動きが悪くなることが原因で、高齢者や妊娠経験者に多くあらわれる症状ですが、もっとも多い便秘のタイプです。最近では、若い女性にも多く見られるようになってきました。

 内臓が下垂ぎみの人は、腸もたるみやすく、弛緩性便秘になりやすい傾向があります。また、便秘薬の常用者も、薬の刺激で便意を催させるため、ますます腸の機能が低下して、弛緩性便秘になることがあります。

 激しい腹痛などの強い症状はめったに起こりませんが、便秘が長く続くと腹部膨満・頭痛・肌荒れなどの不快な症状があらわれます。

 まずは腹筋を鍛えると同時に、食事において、食物繊維を多く摂ったり、善玉菌を増やして腸内環境を整えたりすることが大切です。

痙攣性便秘

痙攣性便秘とは、日頃のストレスや睡眠不足等により、腸が過敏に反応し、痙攣した状態になって便の通りが悪くなることで起こる便秘です。便意があってもなかなか出すことができず、出たとしてもごく少量のコロコロとした硬い便という症状が特徴です。

 ストレスの他にも、下剤の乱用によって発症したり、過敏性腸症候群の便秘型としてあらわれたりすることがあります。

 痙攣性便秘の場合は、既にストレスで腸が荒れているため、食物繊維を摂ることは過剰な刺激となり、ますます便秘を悪化させる恐れがあります。

 食物繊維と呼ばれるのはほとんどが不溶性食物繊維ですが、水溶性食物繊維もありますので、食物繊維を摂取する場合は、昆布・わかめなどの海藻類やこんにゃくなどを摂取するようにしましょう。

 そして原因となるストレスを解消するために、まずは過労や睡眠不足を避けて、できるだけリラックスできる方法を探しましょう。

直腸性便秘

直腸性便秘は、時間がないなどの理由で、便意があるのに排便を我慢することを繰り返すうちに、直腸が鈍感になってしまい、便が肛門の近くまで来ているのに、なかなか出せないといった症状です。

 長い間、腸内に溜まっている便は、水分が吸収されて硬くなっていますので、コチコチの便が排泄されます。

 直腸性便秘の人が、浣腸や便秘薬を使って直腸に強い刺激を与え続けるとますます悪化します。さらにひどくなると、痔で苦しんだり、大腸ガンを引き起こしたりする危険性もあります。

 正しい排便習慣を取り戻すことが大事です。朝食をきちんととり、便意を感じたら、すぐにトイレに行くことを心がけましょう。

inserted by FC2 system